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2013年05月21日

《ドット絵壁紙》北浜レトロビルヂング **初のドット絵待受公開!**

1年2ヶ月ぶりの、ドット絵による近代建築壁紙ができました。
当初は携帯待受画像だけのつもりでいたのですが、PC壁紙にもできそうだったので方針転換しました。

大阪の古くからのビジネス街・北浜。
京阪電車の北浜駅で降りて、難波橋のたもとから少し歩けば、高いビルの間にあるこじんまりした建物に出会います。
現在は英国式ティールームとして人気のお店「北浜レトロ」です。
建てられたのは1912年。証券会社の商館として建てられたそうですが、今のお店を知っていると、こんなかわいい建物がビジネス用だったのか!と思います。

私が描いたこの建物は、今の姿と少し違っています。
基本的に、近代建築の絵として建てられた当初の姿に近いものを描きたいので、今の建物の外壁にはイギリスの国旗やティーポットの模型が飾られていますが、それは今回描いていません。ただし、建てられた当初の写真を見たこともないので、ドアの上の方にある紋章のレリーフは描いてしまいました。あれも本当はなかったんだろうと後で思いましたが、あれがあると建物がかっこ良く見える気がしてそのままにしています(^^;)。
また、ドアは現在はガラス張りで中が見えるようになっていますが、今回はティールームに改装する以前の写真を参考に、ガラスのないドアを描きました。

当然、建物の両脇には本当は高いビルがあるのですが、それも描いていません。かわいいこのビルだけをフィーチャーしております。(なお数年前までは、向かって左側にも煉瓦造りの近代建築が並んでいました。)
建物の背景には、白のチェックに型板ガラス風のグラデーションを施しました。これは、建物の向こう側にある大川の水の色と中之島の緑の色をイメージしています。
また、外側のステンドグラス風の装飾には、建物の内装(窓枠など)の青緑色を使いました。バラの装飾は、中之島に広大なバラ園があることによるものです。
2階の北側の窓際に座ると、これらの風景を眼下に楽しむことができます***(^^)***。

今回のドット絵は、レンガの枚数を数える所から始まりました。
様々なパーツが、レンガの枚数や位置と関係しているので、これを無視して適当なイメージで描くと、最後に見た時全体のバランスが狂っていたりするのです。
特に難しかったのが、ドアのすぐ上の飾り窓です。ここにもバラの花がありますね。
決められた幅におさめつつ、飾り窓を再現するのが難しく、何度もやり直しました。

大阪へ来られることがありましたら、ぜひ中之島の風景と、「北浜レトロ」をごらんになってみてくださいね。
ミックスベリーの大きなケーキがおいしくておすすめです***(^^)***。

2013年01月14日

刺繍壁紙**椿**

刺繍壁紙の第2弾です。椿の花を描いてみました。
(リニューアルするために更新が止まるんじゃなかったのか?と思われるかもしれませんが、実はこの新作公開もリニューアルへの布石なのです。)
最初に緑の背景で作ったのですが、思い立って紅色の背景にしてみるとなんだか華やかだったので、そちらも公開することにしました。
近年、椿の花のモチーフはよく見かけるようになりましたね。昔は若い人とはほとんど縁のない扱いをされていたように思うのですが、椿油が若い女性にも広く使われるようになったからか、和風のモチーフが新鮮に受け取られるからか、本当に多くなったと思います。人の名前にも使われるようになって、時代って変わるんだなと思いました。

余談ですが、その椿の精霊だと言われているのが、春の女神「佐保姫」でして、これがsahoiconの由来につながっているわけですね〜。不思議な縁を感じます。

2013年01月06日

新年のごあいさつ ならびに刺繍壁紙

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

サイトのリニューアルをするから更新が止まっている、と先日言いましたが、壁紙ができたので公開しました(^ ^)。
ドットで描いた絵を、刺繍(クロスステッチ)仕立てにしたら楽しいのではないかと思って作ってみました。ちなみに今回は冬ということでノルディック柄を公開しましたが、すでに他の柄も作っていまして、それはまた季節が来たら公開しようと思っています。
去年の近代建築ドット絵シリーズもそうですが、ドット絵を生かせるのならあらゆる手段を使っている自分に気づきました(笑)。我ながらどんだけ好きなんだと思います(^ ^;)。
今年もどうぞ当サイトで楽しんでいってくださいね。ありがとうございます。

2012年03月18日

《ドット絵壁紙》高島屋東別館(旧松坂屋大阪店)

現在放送中のNHKの朝ドラ『カーネーション』。
このドラマの中で、主人公の糸子が飛び込み営業をするという設定で登場したのが「心斎橋百貨店」でした。ごらんになっていた方は、重厚な外観や内装を目にされていたことと思います。
その建物が、今回描いた高島屋東別館という建物です。
名前からすると、高島屋の別棟として百貨店の営業をしているのかと思ってしまいますが、実際は現在百貨店として使われているわけではありません。一部のフロアに高島屋資料館や結婚式場などがあるほかは、高島屋の事務所として使われています。
数年前までは、高島屋の家具売り場として使われていました。

この建物は。もともとは松坂屋大阪店でした。
大正時代にこの地に最初の建物を竣工して営業を始めた後、増築を繰り返し、1934年(昭和9年)にこの外観が完成しました。
この外観は堺筋側から見た姿ですが、堂々たる一つの建物に見える堺筋側に対して、裏側から見た姿はまるで違います。増築を繰り返した過程をそのまま残した、凸凹した外観になっています。
日本橋にあるこの松坂屋大阪店からそう遠くないところには、1934年当時すでに高島屋大阪店がありました。堺筋という従来のメインストリートに百貨店を構えた松坂屋でしたが、新しいメインストリート・御堂筋の南端に建てられた高島屋大阪店との勝負はすでについたようなものでした。
戦後も日本橋で営業を続けますが、1966年(昭和41年)、松坂屋は天満橋に移転しました。競争相手のいない天満橋に移転することで、ターミナルデパートとなることを狙ったのでした。しかし2004年に閉店し、大阪店の歴史は幕を閉じました。
一方、日本橋に残された建物は1968年(昭和43年)に高島屋が買い取り、東別館として現在まで使用しています。


建物についての話が長くなりましたが、次は壁紙のデザインについての説明です。

今回、建物がえらく大きいものだったので、1366×768ピクセルの大きさで描いてみました。
で、それ以上の大きさのモニタで使用される場合、拡大されるとドットが潰れてあまりきれいではないので、元の絵はそのままに周囲をパターンで埋めて、1920×1200ピクセルの壁紙を作りました。
なので、1366×768以上の大きさのモニタで使用される場合は、1920×1200のものを原寸大で(多少端は切れますがその状態で)表示されることをおすすめします。

建物の背景の模様(水色に白の線描)と、1920×1200の外側のパターンには、ギザギザの植物を描いていますが、これはこの建物のメインモチーフであるアカンサスです。
特に、1920×1200のパターンは、この建物のアーケードの床の模様を再現したものです。(わかりにくいかもしれませんが、1階の扉部分とショーウインドウ部分は白い柱より奥にあり、その間はアーケードになっています。)
アカンサスの形は、この他にも天井のレリーフやエレベーターの装飾など、この建物の至る所に使われています。

三カ所に扉があるのがわかるかと思いますが、この扉の上には、それぞれ違った模様の飾り枠があります。欄間のようなものですね。このうち、右の扉の上の模様を、今回は建物の絵の上下に模様として再現しました。幾何学模様が繊細で、ぜひ大きく描いてこの美しさを伝えたいと思いました。
また、この大きく描いた模様の背景には、緑のモザイク地にカーネーションの花模様を描いてみました。これは建物にあるものではなく、ドラマにちなんで私が描いたものです。


ドラマで使用されたことで、この建物はもちろん、近代建築の美しさがもっと伝わればいいのになぁと密かに期待しています(^ ^)。


なお、今回はこの建物を1934年当時の百貨店として描いたので、ショーウインドウの商品については、その当時のファッションやデザインを私なりに再現しています。そのあたりもごらんいただけるとうれしいです。

2012年02月12日

《ドット絵壁紙》高麗橋野村ビルディング

ドット絵壁紙第2弾です。
今回は、御堂筋ができる前の大阪のメインストリート・堺筋にあるビルです。
現在、大阪の百貨店は、御堂筋の北端・梅田に「阪急」「阪神」「大丸大阪店」、南端のなんばに「高島屋」、その間の心斎橋に「大丸心斎橋店」、という具合に御堂筋に集中しているわけですが、御堂筋が今の広さに整備されるまでは、その東側を南北に延びる堺筋が大阪のメインストリートでした。百貨店が4つもあったことがその繁栄ぶりを物語っています。
しかしその4つの百貨店の内、戦後も残っていたのは北浜の三越大阪店のみでした。その三越は阪神淡路大震災で建物が損傷し、ついに閉店・取り壊しとなってしまったのです。

その三越大阪店の斜め向かいに建てられたのが、今回の「高麗橋野村ビルディング」です。
1927年、建築家安井武雄の設計で建てられました。
建物全体はどこかイスラム風の雰囲気を感じさせます。
が、茶色の瓦で作られたひさし、入口の左右にある三日月と竹のモチーフ、これらは日本的な要素です。
さらに中に入ると、玄関ホールの床に金の円弧が描かれていて、その周りに十二支の金文字があります。このへんは中国風にも見えます。
いろんな国の要素を持つ、不思議なビルなのです。

特に印象深い三日月と竹のオブジェは、拡大してビルの両脇に描いてみました。
これは月の部分が照明になっているのですが、なぜ月と竹がここにあるのかはよくわかりません。
ただ、入口を中に入って天井を見上げると、そこには太陽の形の照明があります。壁紙の上部に描いてあるものがそれです。
太陽と月、と対にしてあることはわかるのですが、なぜ太陽と月をもってきたのかはこれもわかりません。
それでも、この太陽と月の照明はどちらもとても魅力的です。
また、壁紙の上下に描いた黒と白の縞模様ですが、これは「太陽」のある玄関の床の模様です。真ん中にある十二支の円は、例えば「卯」が東にあるなど、それぞれの方位に合わせて配置されています。


竣工当時は6階建てでしたが、戦後に7階部分が増築されています。
今回は竣工当時の姿を描くことにしていましたので、建物は6階までです。
また、現在は1階向かって左のテナントは「サンマルクカフェ」、右のテナントは和菓子店となっていますが、これも竣工当時の姿を優先し、左には当時入居していたあの化粧品会社の店舗を描いています。看板は色以外は資料通り描きましたが、店内の様子は私の創作です。創作ですが当時の化粧品店の様子を描いた絵(当時の広告等を参照)を参考にした上で描いています。
右側の当時のテナントは不明だったため、私の一存で喫茶室にしました。うっかり「資○堂パーラー」にしそうになりましたが、そんな記録はないので思いとどまりました。伏せ字には特に意味はありません(^ ^;)。

この建物を描くに当たり、写真資料を多数参考にしたのはもちろんですが、それだけではやはり足りなかったので、実際にビルを訪れ、サンマルクカフェにも入りました。また、外観をしっかり記憶するべく、斜め向かいのモスバーガーに入ってくまなく観察しました。
写真だけではわからない質感・色具合・細部の様子を確認するためでしたが、訪問することでより愛着をもってそのビルを描くため、でもありました。
これはアイコンを描く時にもしていたことだなと思い出しました。やはり愛が必要なんですね(^ ^)。

2012年01月17日

《ドット絵壁紙》大丸心斎橋店

最初に、昨年5月にコメントを書いてくださいましたちゅら海さま、今の今まで気づかずに非公開のままにしてしまい大変申し訳ありませんでした。
このブログには膨大な数の迷惑コメント(スパム)が寄せられていまして、そのスパムの中にあるのを気づかずにきてしまいました。もちろん私の過失であることに変わりはありません。
深くお詫び申し上げます。
お寄せいただいたコメントにもレスをさせていただきましたので、ごらんいただければ幸いです。


さて、もはや新作公開の時しか更新していない状態のブログですが、今回も新作公開につき更新をします。
といっても、このブログの存在は私にとってはとてもありがたいのです。
アイコンにしても壁紙にしても、作りたいという思いの結果完成するものですが、作ってもなお思いがあふれている時に、それを書く場所であってくれているからです。
しかも、添付書類やダウンロードページの紹介文とは違い、読んでいただく必要もないという気楽さがあります(^^)。
今後ともよろしくお願いいたします。

さて、いきなりのドット絵壁紙ですが、これはいつか挑戦してみたいとは思っていたもので、時間に余裕ができたのでやっと取り組むことができました。毎日とりかかることはできなかったので、結果的に1ヶ月かかりました。
私の愛してやまない建物です。現役の百貨店として、今でも多くのお客さんでにぎわっているのがまたうれしいです。
こうして二次元で外観を描くだけでもすばらしい建物だと思うのですが、これはこの建物のもつ魅力の半分だと思っています。残りの半分は内装です。入口から内扉を経て店内に入れば、豪華な黒の六芒星の装飾に圧倒されます。階段部分にも同様の装飾があり、階段そのものもゆったりと店内を楽しめる作りになっています。壁紙の上下部分にある装飾のうち、両端を除いた部分の模様は、実際に階段部分にあるものと同じです。
なお、現在の建物ではショーウインドウの上半分が赤いひさしで覆われているのですが、竣工当時の様子を大切にしたかったので、あえてひさしのない状態を描きました。ショーウインドウの上部には金属による「麻の葉」模様の装飾があります。これは今ではひさしの内側にあるだけでなく、シャッターにも半分以上覆われていて、現場で形を確認するのも苦労するほどでした(;;)。
あと、建物下部の白い石造りの部分には多数のレリーフがあり、特に入口の上の左右にある孔雀のレリーフは大きくてすばらしいです。この建物の裏側(心斎橋筋側)の入口の上には大きな孔雀の彫刻があります。これは孔雀が大丸のシンボルであることによります。
大阪に来られることがあったら、ぜひごらんいただきたいです。ほんとに見なきゃもったいないです。

なお、本日から1ヶ月間、阪神淡路大震災追悼アイコン集を公開します。2004年から毎年この時期に公開してきたものと同じです。今年は東日本大震災に哀悼の意を表し、1ヶ月間の配布とさせていただきます。