給食アイコン作成裏話(1)
給食アイコンを作るにあたって、まず難しかったのは「アルマイト食器」の質感でした。
私はいつもMacでアイコンを作っています。使用しているソフトは、アップルが配布している「ResEdit」です。Macをお使いの方なら知っている人が多いと思います。
ResEditではフルカラー(32bit)のアイコンは作ることができません。ですから私の描くアイコンは基本的に固定256色(8bit)のアイコンのみです。たまにどうしてもフルカラーの機能を使いたい時は、ResEditで元絵を描いた後、別のソフトで修正を加えます。
ResEdit+固定の256色でアイコンを作ることが、私のこだわりです。このことについては、別の機会にもっとお話ししてみたいと思います。
さて、この256色は決まった色しか用意されていないので、難しいのは「グラデーション」です。
アルマイト食器は、光の当たっているところとそうでないところで色が違います。フルカラーでグラデーションを実現できれば簡単なのですが、ResEditで作る場合、用意できる色は「光っているところの色」「普通の色」「影になっているところの色」の3色しかないのです。
ま、昔はもっと色が少なかったりしたわけで、このような場合にドット絵の技術というものが使われるわけです。例えば、色と色の間をグラデーションさせたい場合は、2つの色を互い違いに置いて、モザイク模様みたいにすると、原寸大にしたときにグラデーションに見えるといったようなことです。
しかし、最初に作った時は、食器の光から影に移る部分がのっぺりしているというか、アルマイトのつるんとした質感をうまく表現できませんでした。光が左上から射しているので食器の外側は右へいくほど暗くなるはずですが、なんか金属ぽくありません。
これは、光から影に移る色の変化を短くすることでうまくいきました。
金属はつるんとしているので、光も影もはっきりと映し出してしまいます。ですからあいまいな光の部分をあまり多くすると、つるんとしたものとして認識できにくくなるんですね。また、今回は「右へいくほど暗くなる」のは確かですが、右からも何らかの光が射しているとして、その光もきちんと反射させてやると、より金属っぽく見えるのだと気がつきました。
こうしてアルマイト食器の原型ができました。
次は食べ物の盛り付けです。料理類は、作った経験も多かったので、あまり苦労なく作ることができました。ごはんやソフトめんはどちらかといえば難しい方ですが、細か過ぎる分逆に適当に色を置いても大丈夫という面もあって、何とかできました。
しかしここで意外な壁が。それは「パン」でした。
(次回に続きます)