sahoiconの歩み(5)
サイトを開設した2000年に公開したセットで、現在も配布しているものは12セットあります。そのうちの3セットは、白黒2色で描いた「モノクロアイコン」です。
前にも書きましたように、私の使っていたパソコンは旧型CPU「68k」のパソコンで、Macの256色のアイコンは表示できましたが、当時出始めていた「32bit(=フルカラー)アイコン」に対応していませんでした。当然、私の描くアイコンも、256色のアイコンでした。私は、自分が旧型のマシンを使っているが故に、新しいアイコンを作ることができないことを、少しも寂しく感じませんでした。当時まだ32bitアイコンの数は多くなかったこともありますが、色数は多いがぼやけた印象になる32bitアイコンよりも、細やかでいて鮮やかな表現が技術次第で可能になる256色アイコンの方に強い魅力を感じたのです。今でも、ResEditで256色のアイコンを作ることは、私のアイコン作成の原点です。
そのようなカラーのアイコンがまだ表示できなかった時代は、アイコンは白黒だったわけですが、2000年当時まだ配布されていた白黒アイコンを見たところ、これが実に印象的で、心のツボにはまるような作品が多いのです。この白黒アイコンの美しさをアピールしてみたい、しかもできるだけ早く、と思いました。パソコンの性能はどんどん進化し、アイコンも32bitものがもっと増えていく、そうなると白黒アイコンは存在そのものが「過去のもの」として片づけられてしまい、見てもらえなくなる、と思ったのです。
最初に作った「Europian Old Goods」は、白黒の神秘性がアンティークものの持つ魅力にふさわしいと思い作りました。その後「日本の夏」「日本の冬・お正月」を作りましたが、古きよきものという題材には、白黒の世界はよく似合うと今でも思います。もっとも「日本の夏」については、最初からカラーで作るのをあきらめていたという事情もあります。なぜならすでにPIXTURE STUDIOさんから「日本の夏」アイコンが配布されていたからで、技術ではとてもかなわなかったからです。ここで正直に告白しておきます(笑)。