sahoiconの歩み(12)
コンテストの結果が発表されました。
その結果は、私にとって喜ばしくないものだったと同時に、強い疑いを抱かせるものでした。
審査員は、アイコンを「技術」で評価しなかったのです。優勝したのは、赤ちゃんとその身の回りのものを描いたかわいい作品でした。準優勝は中国のお正月の風物や人物を描いたもので、ぱっと目をひく華やかさがありました。(注:これらの受賞作はこちらからダウンロードすることができます。Mac用のみです。cl1とcl2が該当のアイコンです)
私が「技術で評価しなかった」と言い切る理由は、この2つの受賞作が、どちらも必然性のない32bitアイコンだったことです。32bitアイコンそのものを否定しているわけではありません。これらの作品は、多くの色を必要としなければ描けないような微妙なモチーフではなく、256色で描くのに十分なものでした。32bitアイコンがない時代からこのコンテストは存在していて、いかに256色で表現するかという技術力も審査の対象になっていたはずが……今までそれをしてきたはずの審査員が選んだ2つの受賞作は、使わなくていい多くの色数を使ったアイコンでした。「技術で評価していない」と判断したのはそのためです。
この傾向には思い当たるところがありました。私が最初に出品した2001年は、結果発表で「技術点」も公表されていたのが、次の年にはそれがなくなりました。
技術を重視しなくなったのは、技術に長けた日本人の優勝が多くなったことと関係がある……とある人から聞かされ、私はついに、主催者側にもの申すことにしたのです。